人権教育月間にちなんで,「自分自身のこと・自分に関わりのある人のことについて考えよう」というタイトルで校長講話を行いました。
事前に生徒たちに「自分が人の役に立てたと感じるのはどんなときか」というアンケートをとりました。
・家の手伝いや困っている人の手助けをしたとき
・道に落ちているゴミを拾ったとき ・「ありがとう」と言われたとき など |
様々な回答がある中で多かったのは,「ありがとう」と言われたときというものでした。
校長講話では,絵本「あなのあいたおけ」(文屋 プレム・ラワット文 しろいあや絵 マックス・ウィトル訳)の読み聞かせをしました。水を運ぶ仕事にやりがいを感じていたおけに,ある日穴が空いてしまいます。水を運ぶたびに穴から水がこぼれてしまい,「自分は何の役にも立っていない」と悲しがっているおけに,庭師が「穴があいているおかげで花に水をやることができたんだ」と毎日水を運んで通っている坂道を見るように促します。おけに穴があいたことを知った庭師が,道に花の種をまいておいたので水がこぼれたおかげできれいな花が咲いたのです。
「自分が誰かの役に立っている」という気持ち(自己有用感)は他者の存在なしで育むことはできないものです。だからこそ,自己理解と他者理解を深め,自分と他者との関係を肯定的に受け入れられるような働きかけが必要だと思います。この人権教育月間が,自分自身を見つめ直したり,まわりの人を見つめ直したりするきっかけになればいいと考えています。